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第6回 歌かるた

 5月19日のはまぎくカフェで、「歌かるた」を作ってゲームをしました。歌名から歌手名を取るゲームです。この歌を選曲する過程が面白かったのですが、それをカフェでやると時間が足りないので、スタッフが選曲しました。

 54曲選曲して、テーブルに載りきらないので、50曲で終わりにしました。そして、ソーシャルディスタンスを意識して、かるた取りの時は新聞の棒を使いました。

 体操をした後「パプリカ」を歌いましたが、そのときに「Foorin楽団」の動画紹介がありました。「Foorin楽団」は、「Foorin」と病気や障害のある子どもたち10人が結成したバンドです。「Foorin」の5人にはそれぞれ担当の子どもたちがいます。例えば、「Foorin楽団」のみさきさんは、聴覚障害を持っています。彼女は、手話を取り入れた手歌を、「Foorin」の歌を担当するもえのさんと披露してくれていました。彼女は、楽団みんなの身体の動きやアイコンタクトで音楽を感じることができるそうです。この「Foorin楽団」は、それぞれの特性をいかしたインクルーシブサウンドと銘打って紹介されています。

 みさきさんはとても楽しかった、と手話で言っていました。もえのさんは、みさきさんのことをもっと知りたいけど、どうしていいかもどかしいと言っていました。この動画を紹介してくれたスタッフが、この子どもたちが育ったとき、社会が変わっているだろうという希望を感じたと言っていました。

 インクルーシブという表現は、「排除的・排他的」の反対の意味の言葉です。さらに単に「統合(integration)」という、障害者を受け入れるだけの状態ではなく、障害を持っていてもありのままの状態で社会に存在できるように変えることを意味しています。何を変えるのか。社会の環境や障害を持たない者の生活や意識変化が必要なら変えるということです。

 インクルーシブという表現が国際社会で公的に用いられたのは、1994年の「サラマンカ宣言」においてと言われています。この宣言は、ユネスコとスペインが共催した「特別な教育的ニーズ世界会議」で出されたものです。教育の分野でインクルーシブという表現が主として使われてきましたが、それは究極のところインクルーシブ社会の実現を目指しています。

 Foorin楽団」の「パプリカ」は、そういう実践の一例と言えます。お題目でなく、共生することを楽しさの中で経験すること。そういう経験を積み重ねることがインクルーシブ社会を作り上げていくのだろうと思います。

 

  さて、メインイベントのゲーム「歌かるた」。歌は分からない、歌手名は出てこないと言っていた参加者の皆さん、そんなことありませんでした。次から次へと名前が出てきて、さらに「〇〇がこういう歌うたっていたね」と思い出話に展開。

 ルビーの指環」を私たちが、「寺尾まさあき」とリストアップしていたら、「寺尾聰(あきら)よ」と声が飛びました。失礼しました。

 

 「ルビーの指環」は、好きな歌です。おしゃれな失恋男の歌だなぁと、思ってきました。でもふと、「誕生石ならダイヤなの」じゃ、この歌の雰囲気にならないなぁと思った辺りから、ルビーが気になり始めました。

 ルビーは宝石の女王と言われるようです。ルビーには情熱・勇気・永遠の命・美という石言葉があります。ダイヤモンドは王様。でも産地が限られていて、ダイヤよりルビーの方が貴重とされた時代もあったそうです。成分として同じものがサファイヤです。酸化アルミニウムの結晶で、コランダムという鉱物です。含まれている不純物によって色が異なってきます。ルビーは不純物としてクロムを含むことで、赤く見える。ブルーサファイアは酸化鉄と酸化チタンを含むことで青く見えます。ブルーサファイアの純度の高いものは値段的にも高いようです。ルビーはおおよそダイヤの半額以下で、素敵なものがありました。歌詞の中に「俺に返すつもりならば 捨ててくれ」とあります。もちろんルビーの指環でも「イヤーちょっと捨てられないよ」です。この場合は、気持ち的にも。でもダイヤだったら、「オイオイ捨てるなら私にください」です。

 誕生石がもっと安い石だったら? 「俺に返すつもりならば 捨ててくれ」の重みが変わってきます。むしろ「思い出として、俺に返してくれ」という、より女々しい歌にしないと「安上がりの女だったでしょう」と突っ込みたくなる。ヒットする曲には、それだけの訳があるのでしょうね。

 

 

 写真を見てみると、皆さんが楽しんでいた様子がよく写し出されています。私たちも楽しかったです。