脳卒中のキーワードはNO(一酸化窒素)です。脳卒中の原因は、血管の動脈硬化で、高血圧・高血糖・コレステロールという「魔のコケコッコー」が危険要因なのです。この「魔のコケコッコー」を減らすのがNOで、これは血管の中で作ることが出来ます。そのやり方が三つあります。

①鼻呼吸。嗅上皮でNOが作られ、それが大脳皮質を刺激して、視床下部から血管を広げる物質が出る。朝の血圧が高いのは、身体を目覚めさせるためで、だから朝の深呼吸を、鼻でして脳を冷やすのが効果的。

②カカオ(95%チョコが良い)を一日25グラム取る。ポリフェノールがNOを作るのを助ける。

③温浴。体温が一度上がるとNOが増える。38度くらいの湯に10分。手を入れて、抹消を温める半身浴が良い。

 

 認知症に対処するキーワードは、海馬です。この海馬が縮むと記憶力が低下し、防衛作用として、忘れていいものを忘れていく。これには、人間の身体って上手くできているんだ、と思いました。縮んだ海馬は大きくなるそうです。実際にそういう研究結果が報告されているとか。そのやり方が三つ紹介されました。

話すこと、それも楽しく。脳は使わないと怠けて記憶力が落ちていきます。そして笑わない高齢者は笑う高齢者の1.6倍の確率で脳卒中になる、という東京大学の研究成果も紹介されました。さらに人助けが入ると長寿遺伝子のスイッチが入るそうです。

噛むこと。よく噛むことで食べ物が柔らかくなり、胃腸の負担が少なくなります。また唾液による滅菌効果もあります。そして口の周りの筋肉、口輪筋を鍛えると顎関節から脳に刺激が行きます。ガムを2分間噛むことで記憶力がどのくらいアップするかの実験が紹介されました。30歳の場合、90点の点数が95点になりました。70歳では、64点から84点になりました。歳を取るほど効果が出ます。

歩くこと、それも楽しく。足を使って歩くというのは、脳がかなり働かないと出来ません。ロボットを歩かせることがいかに難しいかを考えるとよく分かります。でも歩けなくなったらどうするか。手を使いましょう。

 


カフェの独り言

カナダの脳外科医ペンフィールドが、1951年に描いたホムンクルス(こびと)の絵。脳の中の小人の絵では、手と唇と舌が異様に大きく描かれています。脳に占める割合を投影させています。

左は、体の各部分の表面積と脳の対応部分の面積を示しており顔、親指、舌などが、大きい。

右は、大脳皮質表面での対応位置。顔や、手が大きい。

 

だから、お喋り、噛むこと、歩くこと、手を動かすことが、重要なのか。