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第10回 脳卒中・認知症を遠ざけるコツ

 はまぎくカフェ定例のシルバー・リハビリ体操とその月の歌(今回は「パプリカ」と「里の秋」)の後、石井代表から講話者の畑山徹先生(水戸ブレインハートセンター院長)の紹介がありました。石井代表自身がお世話になったことや畑山先生の講演の評判を人伝えに聞いたこと等、はまぎくカフェが先生に講話を依頼するに至った経緯と、クラッチが踏めるようになったという報告を、畑山先生はにこにこ聞いてらっしゃいました。

 いよいよ先生の話が始まりました。今日の話は治療の前段階で何に気を付ければよいかをお伝えするものですと切り出されて、パワーポイントの映像に「84-72」という数式が出て来ました。一瞬、頭の体操かと思いました。次に「=12」と出て来て、平均寿命から健康寿命を引くと12年が不健康な年数になります、とお話が続いていきました。そして、寝たきりの2大要因が脳卒中(35%)と認知症(20%)なので、この二つを減らすことで寝たきりを大分防げるということ。なるほどと、お話のテーマ「脳卒中、認知症から身を守るコツ」の意味が理解できました。

 脳卒中には脳血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血とくも膜下出血があります。脳卒中のキーワードはNO(一酸化窒素)です。血管の拡張作用がある一酸化窒素(NO)を増やすには、鼻呼吸がいいというお話。成程、だから体操で鼻呼吸を使う深呼吸が入っているんだと納得しました。カカオも血管を広げる効果があるので、95%のチョコを一日三口くらい(25g)食べるのがいいそうです。でも、95%以上カカオを含むチョコはちょっとなぁと思います。70%くらいなら、毎日でも少しずつなら食べられます。そして、温浴で体温を1度くらい上げるのがいい。末梢神経から温めるのに、38度くらいのお風呂に半身浴で10分くらい浸かるのだそうです。半身浴はどうも入った気がしない、という声もちらほらありました。

 

 それでも脳卒中になったら即病院へ行くのが良いとのことです。それがFASTキャンペーンです。Fは“face”、Aは“arm”、Sは“speech”、Tは“time”のそれぞれの頭文字です。顔の半分が垂れたり、腕がだらんとしたり、ろれつが回らなくなったりしたら、時間勝負で病院へ、というキャンペーンです。

 

 休憩を10分挟んで、後半は認知症から身を守るコツの話です。休憩時間に、参加者の皆さんは話が弾んでいました。勿論マスク着用のままです。

 さて認知症は年齢なのか病気なのか、その境界線はあいまいです。歳とともに記憶力は低下していきます。名前と顔が一致しないというのは、年齢とともに一般的に出てきます。畑山先生ご自身もそうだとか。

 私が認知症について調べたとき、年齢による記憶力の低下で何を食べたかは忘れるが、病気としての認知症状は食べたことそのものを忘れる、と出ていて、なるほどと思いました。

 

 認知症というと、やはり記憶が問題になります。これには海馬が大きく関わっています。縮んだ海馬の状態を改善するのに役立つものとして、①(楽しく)話す、②噛む、③歩く、が上げられました。しゃべると言えば女性の専売特許。女性は目的無くおしゃべりを続けることが出来て、これは男性には難しい。だから男性にはお酒とゴルフが必要との畑山先生の解釈。この辺りから、先生の話術が乗りまくり、会場は爆笑の渦。まぁ、男性でもしゃべるのが好きな人はいるし、おしゃべり苦手女子もいるので、人によりますね。

 「ここにに参加された方が私の診察を受けて下さるときは、はまぎくカフェの名前を出してください。診療費をおまけすることは出来ませんが、親切な言葉かけはたくさんさせて頂きます」には、またまた笑いの渦。

  

 両手交互にグーパー運動もお話の中で入ってきました。途中からパーチョキ交互になり、さらに親指と小指を交互に出す親子に移行しました。そこへF、A、S、Tの形を身体で覚えるが加わり、途中から訳が分からなくなりました。参加者の皆さん、笑いながら、一生懸命、先生の動きに付いて行こうとしました。

 

 あっという間の1時間半でした。講話が終了し、質問タイムになったら、結構手が上がって、時間が足りませんでした。先生は「質問はあまり出ないので」とおっしゃってましたが、はまぎくカフェでは、我も我もと手が上がり、会終了後も、先生に個人的に質問する方が何人もいました。

  笑う高齢者ほど健康寿命が長い、というデータも提示されていたなぁと思いながら、私も大笑いして講話を拝聴しました。

 


リンク: ティータイムに、NO(一酸化窒素)と海馬の記事を載せています。 実施記録はこちら